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小渕氏側、証拠隠滅か HDをドリルで破壊したパソコン発見

 先の衆院選で圧勝した小渕優子前経産相(41)にいきなりの試練だ。大臣辞任の原因となった政治資金問題に絡み、東京地検特捜部が10月に関係先を家宅捜索した際、会計書類などを保存していたとみられるパソコンのデータを保存する複数のハードディスク(HD)がドリルで破壊されていたことが19日、明らかになった。専門家は「悪質な捜査妨害の可能性」を指摘し、証拠隠滅が明らかになれば、小渕氏側に「逮捕者が出る」としている。

 特捜部は10月30日以降、小渕氏の元秘書で群馬県中之条町の折田謙一郎前町長(66)の自宅や町役場などの関係先を政治資金規正法違反容疑で捜索。その際、電気などのドリルでHDに穴を開けたとみられるパソコンが見つかったという。

 折田氏は、問題となった小渕氏の政治資金収支報告書を作成していた中心人物で、事件のキーマンとされる。

 夕刊フジが19日朝、折田氏の自宅を電話で直撃すると、妻が応対し、「主人は帰っておりませんので取材にはお答えできません。そもそも、うちにはハードディスクは置いておりません」と答えた。一方、群馬県にある小渕氏の事務所は、「捜査に支障をきたす可能性があるので取材には答えられない」とした。
小渕氏の関連政治団体をめぐっては、「小渕優子後援会」など関連4政治団体の2008〜13年分の報告書では、観劇会や野球観戦の支出が収入を計6000万円以上、上回っていたことが判明。12年に開催した観劇会については収支ともに記載がなかった。

 急浮上した証拠隠滅疑惑。今後の捜査への影響はあるのか。

 元東京高等検察庁検事で弁護士の郷原信郎氏は、「報道通りだとすれば極めて悪質な捜査妨害だ。破壊されたHDに本件に関する証拠があったかどうかが証拠隠滅に当たるか否かの焦点になるが、『証拠隠滅の恐れ』ということで、その後の強制捜査や逮捕・勾留の必要性を根拠づけることになる」と指摘。

 「証拠隠滅がはっきりして関係者の自白もないままに捜査が進められなくなった場合には、特捜部の捜査対象となっている被疑者が逮捕される可能性が高い。そうなれば小渕氏にも捜査の手がおよび、小渕氏側が不利な状況になることは間違いない」と話している。