岸田首相(自民党総裁)は13日の内閣改造で、党内6派閥ごとの閣僚の起用人数を、改造前からほぼ維持した。
不公平感が出ないよう派閥均衡に配慮する狙いがあるとみられる。
ただ、「主流派」以外の要望は必ずしも反映されておらず、不満も噴出している。

閣僚数の上積みを求めていた最大派閥の安倍派幹部は「所属議員数を考えれば、麻生派と同じ4人ではバランスを欠く」と漏らす。
また、「非主流派」の二階派幹部は、人事の調整過程で、首相側から閣僚起用を1人に減らす打診があったことを明かす。
結果的には2人が入閣したが、うち1人は派閥が要望した議員とは異なり、この幹部は「屈辱だ」と怒りをあらわにした。

 首相が率いる岸田派は第4派閥と党内基盤は弱い。
首相は、党四役以外の党役員や副大臣・政務官人事などで各派閥の要望をくみ取りたい意向だが、「ポストの数は限られている」(首相周辺)のが実情だ。
「非主流派」などの不満が収まらなければ、党内の不安定化につながる可能性もある。

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