モトローラ、日本勢を横目にスマホ注力の背景 中国のレノボ傘下で「日本を強化地域」に設定
2023/09/14 5:30 東洋経済

「日本メーカーへのこだわりがないなら、今はアンドロイドのスマートフォンの中だと、『グーグルピクセル』がいちばん人気ですよ」。
都内の大手家電量販店のスマートフォン売り場で、従業員はそう力を込めた。
実際、各通信キャリアの陳列棚でいちばんスペースが割かれていたのは、アメリカのグーグルが手がけるグーグルピクセル。
通信会社を自由に選べるSIMフリー端末のコーナーでは、中国メーカーの「OPPO(オッポ)」が目立っていた。日本メーカーの存在感は総じて薄い。

一方、ソフトバンクのサブブランドであるワイモバイルのコーナーで存在感を放っていたのが、「Motorola」のスマホだ。
開発・販売するモトローラ・モビリティ・ジャパンは、1928年に生まれたアメリカ企業のモトローラを祖とするが、現在は中国のパソコン大手・レノボの傘下にある。
モトローラは日本でのスマホ販売台数を公表していないが、「2020年当時はびっくりするくらい小さな数字だった」(松原社長)。それが毎年約3割のペースで伸びているという。
だが海外市場になると、モトローラの立ち位置は違ってくる。ラテンアメリカではサムスン電子に次いでシェア2位、北米ではサムスン電子、アップルに次いで3位と高いシェアを誇る。

◆インドのように量を確保できる巨大市場ではないにもかかわらず、日本に注力すると決めたのはなぜか。
「品質やサービスへの期待度が高い日本で成功すれば、どこの国でも成功できる」(松原社長)。つまり日本には、世界市場に向けたショーケースとしての役割が与えられたわけだ。
また、日本には一度好きになったブランドへの忠誠心が高い人も多いという。インドでは、機種の仕様を細かく比較されて、似た製品なら少しでも安いブランドが選ばれがちだと、松原社長は話す。

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