被告とは別に…日大アメフト部 違法薬物に9人関与か 警視庁が大学に任意聴取依頼
[ 2023年9月14日 05:30 ]

 日大アメリカンフットボール部の寮で大麻や覚醒剤が見つかり、部員が逮捕され麻薬取締法違反(所持)罪で起訴された事件で、他にも9人の部員が違法薬物に関与した可能性があることが13日、関係者への取材で分かった。警視庁がこの9人について任意の聴取を大学側に依頼し、この件は日大の林真理子理事長らも出席して12日に開かれた大学内の評議員会で報告された。
 警視庁は覚醒剤と大麻を所持したとして8月5日に北畠成文被告(21)を逮捕。東京地検は覚醒剤を麻薬と誤認していたとして麻薬取締法違反罪で起訴し、大麻取締法違反容疑については処分保留としていた。捜査関係者によると、北畠被告は「他の部員と一緒に吸った。寮で見つかった大麻はその残り」と警視庁に説明。警視庁は同22日にアメフト部の寮を再捜索し、北畠被告とは別に大麻所持などの疑いがある部員4人を任意聴取していた。日大広報部は、他の5人について「参考人として聴取の依頼を受けた」としたものの、実際に聴取を受けたかは明らかにしていない。

 違法薬物に関するこの間の日大の対応は紛糾。北畠被告が逮捕された同5日にアメフト部を無期限活動停止処分としたが「個人の問題」としてわずか5日後に処分を解除。その後、警視庁の寮再捜索などで新疑惑が浮上すると同31日にアメフト部の寮を閉鎖。今月1日には再びアメフト部に無期限活動停止処分を下した。部員から違法薬物使用を申告された後の捜査機関への連絡の遅れも批判を浴びている。

 日大は文部科学省からあす15日を期限に違法薬物問題に関する調査報告書の提出を求められている。8月24日には弁護士による第三者委員会を設置し、調査を進めていたが、期限まで報告書をまとめることができず同省に延期を求めている。新疑惑浮上で日大アメフト部を巡る混迷はさらに続きそうだ。

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