森友文書の不開示決定 取り消し求めた赤木さんの妻の請求棄却

 学校法人森友学園の国有地売却を巡る財務省の公文書改ざん問題で、改ざんを強いられ、自死した近畿財務局職員の赤木俊夫さん(当時54)の妻雅子さん(52)が、改ざんに絡む行政文書の不開示決定を取り消すよう国に求めた訴訟の判決が14日、大阪地裁であった。徳地淳裁判長は請求を棄却した。

 雅子さんは2021年8月、財務省や近畿財務局が大阪地検に任意提出した文書などについて開示請求。だが、同省などは「(地検の)捜査に支障を及ぼすおそれがある」などとして、文書の存否も明らかにせずに不開示と決めた。

 雅子さん側は訴訟で、地検の捜査はすでに終了したと指摘。文書の内容が公になっても「一般的かつ常識的な捜査手法が明らかになるに過ぎない」とし、存否も明らかにせずに不開示とした決定は違法と主張していた。国側は請求の棄却を求めていた。

 俊夫さんは改ざんを苦にして18年3月に自死。財務省は同年6月、佐川宣寿(のぶひさ)・元理財局長が「改ざんの方向性を決定づけた」とする調査報告書を公表した。雅子さんは佐川氏に損害賠償を求める訴訟も起こしており、大阪高裁が13日、雅子さん側が求めていた佐川氏らへの尋問を行わないことを決めて結審した。控訴審判決は12月19日に言い渡される予定。

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