老朽化の激しい北朝鮮の鉄道では、悲惨な事故が多発している。その中には、列車が立ち往生し、乗客が餓死してしまうといった例まである。

2006年7月、平安南道(ピョンアンナムド)の山間部にある陽徳(ヤンドク)郡と新陽(シニャン)郡で大雨が降った際には、智水(チス)駅付近を走行中だった平壌発清津(チョンジン)行きの列車と、新義州(シニジュ)発清津行きの列車が、橋梁の流出により1カ月半に渡って立ち往生し、乗客のうち90人が餓死した。

また、ある脱北者の証言によると、陽徳では1997年12月中旬、平壌発クムコル行きの列車が、停電で4日間に渡り立ち往生した。車輪が見えなくなるほどの積雪に見舞われた上に、車内の暖房が止まり、老人や子どもなど30人が餓死または凍死したという。

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/024b3798f6b55e24eda9fff8c576f258e12e80c5