多様性当たり前の社会に 一華(いちか)になったKABA.ちゃんの思い

性同一性障害であることを公表し、2016年に性別適合手術を受けて女性に戸籍変更したタレントで振付師のKABA.ちゃん。子どものころから抱えてきた苦悩や、性の多様性についての思いなどを語ってもらった。【聞き手・桐野耕一】

 ――どのような子ども時代だったのですか。

 ◆小学生の高学年まで自分は女の子だと思っていました。5歳上と1歳下の兄弟がいるのですが、今は同じような体つきでも、成長すれば私は女性の体になっていくのだろうと。女の子の友達とよく一緒にアイドルごっこやゴム跳びをして遊んでいました。

 5年生になり男女で分かれて保健体育の授業を受ける際、女子の方に参加しようとすると先生から「お前は男子の方だ」と言われました。その時、「私は女じゃないんだ」と気づいたのです。小学校ではしぐさや口調をからかわれるなどいじめを受け、非常につらかったことを覚えています。

 6年生の2学期に福岡から熊本の小学校に転校し、女性らしさを隠して学校に通ったのですが、それもつらくて。同じつらい思いをするのなら自分らしく生きたいと、中学校では隠さないようにしたのです。最初はからかわれることもあったのですが、みんな受け入れてくれました。

 好きな男子生徒もできて高校進学に向け一緒に勉強するなど、中学時代は本当に楽しかった。家庭の事情で高校を中退し福岡に戻ることになり、当時始めたダンスに取り組むため18歳で上京。20歳で渡米して本格的にダンスを学びました。
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