平成17年11月30日発効の京都弁護士会の戒告(自由と正義2006年3月号124頁)には「懲戒の理由の要旨」として以下の記載があります。
 ただし,平成18年10月12日付の日弁連の裁決によって取り消されました(自由と正義2006年12月号196頁及び弁護士懲戒事件議決例集(第9集)89頁ないし94頁)。

 被懲戒者は、懲戒請求者Aとその妻Bとの間の離婚調停の申立及び子の監護者をBと指定しAに対し引渡しを求める審判の申立等におけるBの代理人であったが、2003年6月20日午前0時頃、Bから、酔っているので迎えに来て欲しいと呼び出されてショットバーに赴き、Bをタクシーに同乗させて部屋まで送り、待たせていたタクシーに再び乗って帰宅した。そして、同月28日午前1時頃、被懲戒者が上記ショットバーで飲酒していたところ、偶然Bがやって来たので、被懲戒者は、少し話をしてから同日午前2時50分頃店を出てBとタクシーに同乗し、Bを自宅マンションの前で降ろしてそのままタクシーで帰宅した。また、被懲戒者は、同日午後7時頃、Bから事務所に電話があり、腕を切ったので来て欲しいと言われて30分後にBの自宅に赴いたところ、Bの腕には真新しい傷があり、気持ちが落ち着くまで話を聞いて欲しいと言われたのでテーブルをはさんでBの話を聞いていたが、そのまま寝入ってしまい、結局同月29日午前10時過ぎ頃、Bの部屋を出て帰宅した。
 妻の私生活上の行為は子の監護者の適性の判断に大きな影響を持つものであり、受任した弁謹士としては、委任者に不利益とならないよう、男女の関係が疑われるような行為はしてはならないところ、被懲戒者の上記行為は、外形的に見て男女の関係を疑わせるものであり、弁謹士法第56条第1項の弁護士の品位を失うべき非行に該当する。なお、一連の行為は依頼者の言動を契機とするものであって、被懲戒者は依頼事件に対して熱心に活動していること、依頼者は不満を持っていないことなどを考慮し、同法第57条所定の懲戒処分のうち、戒告を選択するのを相当とする。

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