至って普通のノートPCでもゲームがサクサク動く!ドック機能を備えた超小型GPUボックス「GPD G1」を試す

「GPD G1」は、一般的なノートPCをゲーミングノートに変身させられるGPUボックスだ。ジャンルとしては外付GPUボックスに分類されるが、世界最小クラスを謳う小型筐体を特徴とするほか、DisplayPortやHDMIポートに加えて多数のUSBポートやカードリーダを搭載するなど、ドッキングステーションとしての性格も併せ持つことが特徴だ。

今回は国内販売元である天空から借用した実機を用い、基本的な特徴とスペックをおさらいしたのち、実際にどの程度パフォーマンスが向上するのかを、各種ベンチマークを通じてチェックしていく。

ドッキングステーションとほぼ同等サイズの外付GPUボックス
パッケージを開けて驚かされるのは何よりもそのコンパクトさだ。一般的な外付GPUボックスといえば、デスクトップ向けのグラフィックボードを内蔵するため筐体は巨大だが、本製品は通常のドッキングステーションと変わらないサイズにまで小型化されており、片手でも十分に握ることができる。重量も1kg未満(実測867g)と極めて軽量だ。

もっとも天板中央から見える巨大なファンや、左側面に配置された排気口など、ドッキングステーションではあまり見かけない意匠もあるのだが、それでも一目でGPUボックスだと言い当てられる人は少ないだろう。ちなみに筐体にはアルミ/マグネシウム合金を採用しており、堅牢性は高い。

内蔵グラフィックカードはRadeon RX 7600M XTで、8GB GDDR6メモリを搭載し、パフォーマンスはGeForce RTX 3070に迫るとされている。手持ちのノートを買い替えることなく、これらのGPU環境が利用可能になるだけでなく、それらをノートPCごと持ち歩ける軽量さは大きな利点と言える。

PCとの接続に利用するのは、正面に搭載されたUSB4ポートもしくはOCuLinkポート。このOCuLinkポートはPCI Expressを外付けで利用するための規格で、最大64GT/sという圧倒的な転送速度を誇るが、こちらで接続した場合はUSB Type-Aやカードスロットが利用できない。多くの場合はUSB4ポートで接続することになるはずだ。

背面にはUSB 3.2ポート(USB A)×3のほか、SDカードリーダ、DisplayPort 1.4ポート×2、さらにHDMI 2.1ポートを備える。この手の製品でカードリーダを搭載した製品は珍しい。ちなみに電源は240Wの大容量で、前述のUSB4ポートを経由し、USB PDによる最大60Wでの給電も行なえる。ACアダプタではなく電源内蔵なのも珍しい。

接続スタイルとしては、本製品とノートPCをUSB4ケーブルで接続して、ノートPCへの電源供給は本製品から行なう形になる。なお本製品は横置きだけでなく縦置きにも対応するが、スタンドは自前で調達しなくてはいけない。排気口は片面だけなので縦置きにすることで放熱を妨げることはなさそうだが、安定性を考慮すると、基本的には横置きで使うべきだろう。

なおディスプレイの外部出力では、DisplayPort 1.4ポート×2とHDMI 2.1ポートを用いての最大3台の外部ディスプレイをサポートしている。Thunderbolt 3/4のドッキングステーションによくある、USB Type-Cでの外部出力はサポートしないようだ。

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https://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/review/1533592.html