岩手県警の男性巡査部長が今年6月、押収した事件の証拠品を上司の許可を得ることなく返却し、処分を受けていたことが分かりました。

「所属長注意」の処分を受けたのは、岩手県内の警察署に所属する30代の男性巡査部長です。
県警監察課によりますと、男性巡査部長は今年6月29日の午前6時ごろ、所属していた県内の警察署で、任意で事情聴取をしていた人物から押収したSDカード1枚を「一旦返して欲しい」と求められ、適切な手続きを取らずに自分の判断でその人物に手渡したということです。
SDカードには事件の証拠となる映像が記録されていて、その後、その人物が自身の読み取り機器にSDカードを入れた際、誤って破損させたということです。
この人物は別の証拠から容疑が固まったとして、その後逮捕されています。

押収品を返却する際は、上司に書類を提出して許可を受ける必要がありましたが、男性巡査部長は、その手続きをとっていませんでした。男性巡査部長がSDカードの破損を上司に報告したことで発覚したもので、男性巡査部長は9月11日付けで「所属長注意」の処分を受け、上司2人も管理・監督責任があったとして、口頭で注意を受けました。

男性巡査部長は、「繰り返し『返して欲しい』と言い続けたので、返せばおとなしくなるだろうと思って返してしまった。規則を守ることができず申し訳なかった」と反省しているということです。
県警監察課は「証拠物の不適切な取り扱いがあったことを重く受け止めております。今後、このような事案を起こすことがないよう、再発防止の徹底を図ってまいります」としています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/4b083c6cf2ddd11aa49a9876e45f7e272747d426