マネジャーが得意な日本人、リーダーになりたがるアメリカ人
イノベーションを生む、マネジメントとリーダーシップの割合

リーダーシップとマネジメントの違い
井上和幸氏(以下、井上):前半で話があった自律型4.0は、今日聞いておられるみなさんはたぶん好まれる方が多いと思うのですが、一方で、自律型では自分で決めていくことが求められたり、方向づけを自分でしないといけないとか、概ねすべてについて自責になります。

それは人によってはしんどいことで、どちらかというとまず「こうしていきなさい」と言ってもらったほうがやりやすい人はいると思います。

小杉俊哉氏(以下、小杉):そうですね。

井上:小杉さんもあると思うんですけど、僕らも次世代役員研修の時に一番根幹テーマになるのが、これまではあえて言えば1.0もしくは1.Xだったけど、「いや、それじゃ駄目だ」と。それを転換する役員陣になってほしいみたいな話は多いですね。

先ほど名前が挙がった会社もそれを継いでくれる1.0のリーダーが出てくればいいけど、たぶんほぼ無理です。

小杉:まぁ無理ですよね。

井上:永守さん自体も言っていますし、柳井さんも言っています。ある面は、集団経営に移行していくんだ、みたいな言い方になっていますけど。

小杉:まぁ、創業者の真似はできないですよ。創業者の子どもだって真似しても絶対うまくいかないですからね。なぜなら創業者ではないですから。

井上:今、ご質問をいただきました。「人事マンですが、恥ずかしながらマネジメントとリーダーシップが混ざって語られる場面が多いと感じています。ここを現場リーダー陣とどう語り合えばよろしいでしょうか」というご質問をいただきました。

小杉:ありがとうございます。このスライドは本の中にも出ているものですが、マネジャーは日本人がすごく得意というか、自分の役職・役割をすごくちゃんとやるんですよ。これをやらないと組織は回らないので絶対必要なのですが、これしかやらない人もすごくまた多いわけですよね。

(スライドにあるように)リーダーのほうは何かを始めたり変えたり、「人に注目」「信頼を築く」「長期的展望」ですね。「なぜ、何を」から考える。「自分のオリジナル」「現状へのチャレンジ」「自分自身という個人」ですね。

つまり、役職・役割関係なく自分で何かを提案して、周りを巻き込んでそれを成し遂げようとするのがリーダーですよね。ちゃんとやるのではなく、正しいことを行う。正しいことは、環境や時代が変われば変わりうる。

上司が言っていることが必ずしも正しいとは限らないんです。先ほどのコロナ禍の話に戻るんですけど、本質的にどうなのかを、常に自分の頭で考えることですよね。変えようとか、始めようとなるのがリーダーです。

冒頭でずっと言っていた、20パーセントルールだとか15パーセントカルチャーだとか、一定の比率を自分で動かすのは、まさにこのリーダーのことを言っています。それを一部でもやっていれば、それについてその人はリーダーシップ発揮している。つまりリーダーのように組織で働いていると言える。こういう4.0の姿にもつながるわけですよね。

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https://logmi.jp/business/articles/329346