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「インターセックス」とは何か? 少女になった少年の心の機微を正面から描いた『I 〜人に生まれて〜』全国公開中

ある日少年は、少女になった――。インターセックス(性分化疾患)の少年を描いた社会派ドラマ『I(アイ) 〜人に生まれて〜』が、2023年9月22日(金)より全国公開中。

本作はNetflix版『返校』で知られるリー・リンウェイが主演を務め、大阪アジアン映画祭で薬師真珠賞を受賞した話題作だ
男性か、女性か
本作の題材となっている「性分化疾患」は、2023年の6月に報じられた中国人夫婦のニュースが記憶に新しいだろう。このニュースで取り上げられたのは、6年間子どもができない夫婦を検査したところ、夫が性分化疾患であり、男性生殖器の発育はほぼ正常であるにもかかわらず、染色体検査の結果は女性の核型だった――というケースだ。

性分化疾患とは、ヒトの6つの性のうち、性染色体、性腺、内性器、外性器のいずれかが非定型的な先天的体質を指す。『I 〜人に生まれて〜』の主人公は、外見や自認も男性だったが、ある症状が出たことをきっかけに病院で検査をし、性分化疾患だと診断される。

ところが、両親は息子に病気のことを隠して女性化の手術を受けさせてしまう。術後、目が覚めた主人公は、アイデンティティは男性にも関わらず、体は女性になっており、その事実を受け入れることができずにふさぎ込んでしまい……というのが本作の物語の始まりだ。