世界水泳 実感なき“成功”
「47万人」来場のカラクリ
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik23/2023-09-30/2023093013_01_0.html
福岡市で7月にあった世界水泳選手権(世界水泳)は、競技会場の空席が目立つ日が多くありました。
ところが、福岡市はのべ47万人が来場し、「おおむね見込み通り」に“成功”したと強調します。この実感なき“成功”のからくりを日本共産党市議団が追及しました。
市は、世界水泳と世界マスターズ水泳選手権九州大会の両大会で、のべ約40万~50万人の来場者が見込まれると説明。来場者の飲食や宿泊で市内だけで
540億円の経済波及効果が期待できるとしていました。
両大会の終了後、市はのべ46万8652人が両大会で来場したとしています。
ところが―。19日の福岡市議会で日本共産党の中山郁美市議団長が、来場者の集計法を尋ねると、実数より大きくふくらむ手法が採られていたことが判明しました。
市の計算では世界水泳に選手とその関係者がのべ「3万5803人」となっています。
中山市議は「公表では参加した選手は2361人のはず。1桁増えるのはなぜか」と質問。市側は「実人数に滞在日数をかけて算出した」と答えました。
選手1人が1週間いたとしたら「7人」と数えていたのです。
もっと実態離れしたのは、競技会場にあった飲食施設のカウント方法です。ある時間帯に施設内にいる人数をカウント。その人数に開場時間をかけて“来場者”を算出するというものです。
たとえば、昼食時など来場者がピークの1時間の人数に、その日の営業時間11時間をかければ、“来場者”がはね上がります。
中山市議の追及に、両大会に来訪した実人数が「24万5488人」と市側は初めて明らかにしました。
この実感なき“成功”をメディアも「福岡『祭り』の恩恵乏しく 世界水泳閉幕」(「日経」8月16日)と報じています。