ナスダック目指す日本のスタートアップ相次ぐ-リスク回避を敬遠
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-10-01/S1VE69T1UM0W01
数十社に上る日本のスタートアップが向こう数年間に米ナスダック市場に上場する準備を進めている。投資家の年齢層が高くなりリスク回避の傾向にある国内市場から、前例のない数の起業家が遠のきつつあるためだ。

  規制当局への届け出によると、今年に入って5社がナスダックに上場したのに続き、今後数カ月間に約7社が上場を予定。ブルームバーグが最近インタビューしたバンカーや起業家らによると、
さらに約10-20社が来年の上場を計画している。昨年相次ぐ上場が始まる前には、ナスダックで取引される日本企業は少なかった。

  米中の地政学的緊張の高まりで中国企業の新規株式公開(IPO)が最近減り、米国の投資家とバンカーらがこれら企業に代わる選択肢を模索する中で、ソフトウエアアウトソーシング企業や翻訳機器メーカーなどの日本企業が上場を目指している。

  日本のベンチャーキャピタルは活気に欠けると見られ、イノベーションへの投資の大部分が大手複合企業の研究開発(R&D)に限定されている状況で、この動きは一見矛盾しているように見えるかもしれない。
人口が減少し、経済成長見通しが不透明な中で、革新的なアイデアを持つ若い起業家は、チャンスと資本を海外に求めている。

法律事務所モリソン・フォースターのパートナー、ジェシー・ギルスピー氏は、「以前は、大企業のための市場だった」と指摘。「それが開放されつつある」と話す。

  歴史的に見て、日本企業の米国上場は、二重上場を通じてグローバルな投資家へのアクセスを獲得することを目指すトヨタ自動車のような大企業が中心だった。
しかし、多くの企業がここ数十年にニューヨークでの上場を廃止した。外国人が日本株に投資しやすくなり、コストが利点を上回ると各社が判断したからだ。

  長引く経済成長低迷も海外での上場をさらに難しくしている。IPOの主なターゲットである日本の個人投資家は、年齢層が高くなりつつあるため、リスク選好度は増していない。
それが、海外、特に、機関投資家が革新的だがまだ実証されていない技術に積極的に投資する米国で、資本を求める起業家が増えている一因だと、市場アナリストやエコノミストは指摘する。

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(おわり)