「何十件面接を受けても決まらない」と報告するユウジさんに対し、行政側の窓口担当者は「今の収入だと生活保護(水準)より低いから、ホテルでの住み込み仕事に戻ってはどうか」と“アドバイス”してきたという。
詐欺同然の求人を放置しながら、オフシーズンには収入が途絶えるようなホテル派遣に戻れという提案には耳を疑う。
生活保護を持ち出すなら、制度を利用して暮らしを立て直すよう促すべきだろう。

しかし、生活保護はユウジさん自身が利用したくないという。またしても生活保護は恥であるという「スティグマ(負の烙印)」が権利の利用を阻むのか――。

ユウジさんは「生活保護は国民の権利だと頭ではわかっています。もし以前の私が知人に相談されたとしたら、恥じる必要はないと言っていたはず。
でも、いざ自分がとなるとやっぱり嫌なんです。
この気持ちは言葉では説明できません」と複雑な心境を打ち明ける。

一方でつい先日は生活保護と同じくらい抵抗のあったという自己破産の手続きを済ませた。
「(借金を)返したくないわけじゃなかったのに……。
こんな自分が恥ずかしいです」。