移民に対するイギリス国民の意識の変化

イギリス国内において、移民に対する国民の意識は大きく変化し続けています。

ブレグジット(イギリスのEU離脱)の時代には、イギリスでは移民が激しい政治的論争と分裂の原因とみなされていました。2023年7月20日に施行された不法移民法(Illegal Migration Act 2023)は、英仏海峡を渡る "ボートを止める "*1 というイギリス政府の目標の中心となるもので、近年に導入された移民・亡命法のうちの一つです。この法律は、これまでの移民法の枠を超えて、非正規に入国した人々をイギリスへの亡命者とは見なしません。 彼らは到着後無期限に拘留され、ルワンダなどの第三国に強制送還されることになります。

難民がイギリスに「正規に」渡航できる経路は限られているため、この法案はイギリスへの入国を求める難民のルートを実質的に排除するものとして “asylum ban”「亡命阻止」とのレッテルを貼られています。 また、国連はこれは国際法上のイギリスの義務違反であるとしています。

国民より厳しい姿勢をとる政府

この不法移民法が難民保護と移民をますます敵視する方向性を示しているその一方で、国民感情に関する最近のデータは対照的です。 そのデータによると過去10年間で、イギリス国民の態度は移民や難民を受け入れる方向に大きく変化しています。 政府による移民に関する政策と一般的な国民感情のミスマッチの現れは、移民に関する見解が比較的短期間でどこまで変化しうるかを浮き彫りにしています(WVS、2022; Ipsos、2022)。

国民の視点の変化

2009年には、イギリス人の65%が、雇用主は仕事が不足しているときには、移民よりも国民を優先すべきだと考えていました。 しかし、2022年には29%に減少しています。*2 この比較では、イギリスはドイツ (27%) の次で、スウェーデン (11%) がリードしています (WVS、2022)。 これは若い世代だけが牽引しているのではなく、上の世代の意識にも大きな変化が見られます(WVS、2022)。

World Values Survey(世界価値観調査)による国民感情:

●イギリスは、移民を失業率増加の原因としている可能性が調査対象国の中で最も低い国(21%)である。[イギリス: 21%がそう思う、37%は分からない][日本: 23%がそう思う、65%は分からない]

●イギリス(63%)は、移民が重要な仕事の欠員を埋めるという見方を支持しており、韓国 (67%)に次いで2位である[日本: 56%]。

●カナダ (73%) に次いで、イギリス (70%) は移民が文化的多様性を豊かにするものだと考えている。 [日本: 56%]

●移民を犯...

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