10月にあった衆院長崎4区補欠選挙で、自民党は野党候補に接戦に持ち込まれた。
有権者への取材から、安倍政権では強く自民を支持していた若い世代が、岸田政権で離れつつある可能性が浮き彫りになっている。

投開票日の10月22日昼ごろ、長崎県佐世保市内の投票所。

「給料がびっくりするほど少ない」

不動産会社の事務職の女性(29)は最近、収入に関する不満が自分や会社だけのせいではなく、政治の責任もあるのではないかと思い始めた。

5回目の国政選挙となる今回、初めて自民以外に投票した。

政治は、安倍政権の時から自民党がするのが当たり前と思ってきた。

県外の大学に進学したが、就職活動で苦労した。
「(選考の不合格を告げる)『お祈りメール』をたくさんもらって」。
くじけそうになりながら、なんとか就いた金融系の営業職の仕事も合わなかった。

「それを政治のせいだという人も周囲にいたけど、自分はそうは思えなかった」。うまくいかないのは、自分がふがいないからだと思ってきた。

そんな心持ちが、昨年の転職…(以下有料記事)