上司や先輩隊員から暴行などのパワハラを受けてうつ病を発症し、除隊を余儀なくされたとして、陸上自衛隊北熊本駐屯地(熊本市)に勤務していた元自衛官の男性(24)が国や元上司ら5人を相手取り約1130万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が19日、熊本地裁であった。品川英基裁判長は訴えの一部を認め、国や5人に計約260万円の支払いを命じた。

 判決によると、男性は2018年3月に入隊。同9月に陸自西部方面特科連隊の本部中隊に配属されたが、2年後に退職した。

 品川裁判長は判決で、上司や先輩隊員が、当時未成年だった男性に対し、生活指導の後で生のレモンを食べろと強要し、果汁を目に入れさせた▽爪が長いと指摘し、ペンチで指を挟んだ▽容姿について注意した際、ほおを平手打ちしたり、頭部を殴打したりした▽飲み会で性器でかきまぜた酒を強要して飲ませた▽男性がLINEに書いた先輩隊員の悪口を見つけて激高し、頭や脇腹を殴打した――などの事実を認定した。

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