自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を巡り、東京地検特捜部の捜査対象となった安倍派に所属する議員が政府や党、国会の主要ポストから外れる動きが加速している。通常国会が開会した26日には、昨年の臨時国会で14人いた安倍派の衆参両院の委員長・会長職のうち11人が交代した。役職を退くことになった安倍派の議員からは、仕事を途中で投げ出すことになったことについて、幹部への恨み節も聞こえてくる。
◆「離党しろというのか」と怒った安倍派幹部
 安倍派の幹部は26日午後、国会内で非公開の常任幹事会を開いた。安倍派幹部に対しては離党などを求める声もあるが、この日は、当初29日を予定していた派閥の政治資金収支報告書の訂正を31日に行うことなどを確認したのみ。幹部の「政治責任」について具体的な議論には踏み込まなかった。幹部の一人は、責任の在り方を問う記者の質問に「離党しろというのか」と怒りをあらわにした。終了後、塩谷立座長と高木毅事務総長らは記者会見を開くことなく立ち去った。