尼僧「僧侶から性被害」と訴え 天台宗に懲戒請求、PTSDも

 四国地方の寺に十数年にわたって住み込みを強要され、日常的に性暴力を受けたとして、50代の尼僧が31日、東京都内で代理人弁護士と共に記者会見し、加害行為に関わったとする男性僧侶2人の僧籍剥奪などの懲戒処分を、所属宗派の天台宗に求めたことを明らかにした。

 天台宗務庁は取材に「郵送された懲戒請求の書面を受理するかどうかも含め、対応を協議中」とした。

 会見した叡敦さん=法名=や代理人によると、2009年に親族の80代の大僧正から紹介された60代の住職に性行為を強いられ、その後、寺で暮らすようになった。監視を受けながら家事をさせられ「逆らうと地獄に落ちる」などと脅されて性暴力を繰り返し受けたと訴えている。

 いったんは外部団体の支援で寺を離れ、19年に住職を刑事告訴したが、不起訴となった。再び寺で生活し、家族に連れ戻された後、心的外傷後ストレス障害(PTSD)で通院しているという。

 法名を明かして会見した理由について「自分の被害を広く伝えることで、信仰と性暴力の問題を一緒に考えてほしい」と話した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/7e6f17ffdb3b08db868ab23e82d841e2bee69996