その結果、昨年10月1日以降、マイナ保険証で受け付けをすると、複数回答で「名前や住所で『●』が表示される」(67%)、「資格情報の無効がある」(49%)、「カードリーダーでエラーが出る」(40%)、「(窓口)負担割合の齟齬(そご)」(15%)などのトラブルがあった。
 こうしたトラブルで、医療費を、いったん10割請求した事例は403の医療機関で少なくとも753件にのぼった。また、トラブルに際し83%の医療機関が「その日持ち合わせていた健康保険証で資格確認した」と回答した。
 政府は今年12月2日に保険証を廃止することを決めている。一方、昨年12月末のマイナ保険証利用率は4.29%と8カ月連続で減少しており、ほとんどの国民は現行の保険証を使っているのが実態だ。
 都内で会見した保団連の竹田智雄会長は「政府の総点検後の調査にもかかわらず、各種のトラブルは全く減少していない。政府はマイナ保険証利用率アップのために巨額の予算を投入する方針だが、システムが不完全なまま保険証をなくせば、医療現場が大混乱することは明白だ。保険証はなくすべきではない」と話している。(長久保宏美)