受け継がれたホロコーストの記憶
ブレシートさんの父親は、人を殺す可能性のある軍隊に入り戦うことを拒否し、拘束されたこともありました。

しかし、自分たちが証人になるために生き残ったのだと信じていた両親は、ブレシートさんにホロコーストの経験を伝え続けたといいます。

「両親はとても強い人でした。彼らが私たちにもたらしたものは、このようなことが再び起こってはならないという生きた記憶です。そして、人々に対する暴力にとても敏感になるように教育してくれたのです」

このためブレシートさんは、ネタニヤフ首相やイスラエル政府が「私たちはホロコースト以来最も野蛮な敵と戦っている」などと、たびたび「ホロコースト」という言葉を使うことに強い違和感を覚えると言います。

「ホロコーストは人道に対する恐ろしい犯罪です。私はそのことを一番よく知っていますが、誰かを傷つけることを正当化する目的では、決して使うべきではありません。
イスラエルは長年、ホロコーストという単語を、ガザで人々を殺すことを正当化するために利用しているのです」