https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-11-07/S3OI24T1UM0W01

電動キックボード「ループ」が36億円調達、IPO向けた準備も進める

電動キックボードなど小型モビリティのシェアリングサービスを展開するベンチャー企業「Luup(ループ)」は、約36億円の資金調達を行った。運転免許なしでも利用できるようになったことを受けて需要が増加しており、調達した資金を事業拡大に充てる方針だ。

  最高財務責任者(CFO)を務める向山哲史氏が7日までにブルームバーグとのインタビューで明らかにした。36億円のうち25億円は三井住友銀行を主幹事とするシンジケートローン(協調融資)で調達した。キックボードなどを配置する「ポート」の新設や車両の増台、交通ルール啓発などの安全対策強化などに活用する。累計の資金調達額は約127億円となる。

  7月の道路交通法の改正により、電動キックボードはサイズなど一定の基準を満たせば運転免許が不要になった。これを受けて利用者数が増加しており、2025年までに1万カ所としていたポート数の目標を前倒しで達成する見込みだ。現在のポート数は4900カ所。
 向山CFOによると、4月に実施した前回の資金調達までは増資が中心だったが、金融機関から「赤字段階で事業を形作るフェーズからほぼ脱した」との評価を受け、今回のローン調達につながった。将来的な新規株式公開(IPO)の可能性については「しっかり収益が出るフェーズになってきた」として、「上場できるように準備を進めている」と述べた。