男性が独身、40代にして非正規社員の理由を紐解いていくと、時代に翻弄された氷河期世代の苦労が凝縮されています。

男性が大学を卒業したのは2000年。厚生労働省『厚生労働白書』によると、就職氷河期のなかでも2000年は底の底。大卒就職率は91.1%まで落ち込みました。

――9割は就職できているのだから問題ないじゃない

と思うかもしれませんが、希望しない職業にも関わらず「就職できるだけまし」と進路を決めた人が多数。正社員になれたとしても、超がつくほどの買い手市場に加え、いまのように従業環境が良い時代ではなく「嫌なら辞めてしまえ!」とパワハラも横行。耐えきれずに退職を選ぶ人も大勢いました。

男性も希望する職ではなく、就職浪人したかったものの就職せざるを得なかった状況にあったといいます。その理由のひとつが「奨学金の返還」。大学を卒業とともに始まる返済に、働かざるを得なかった、というわけです。