“四桂”あっても詰まぬ!?藤井聡太竜王・名人「何とかこちらに幸いした」格言破りの快勝に解説者もパニック「これ、どうなっているんですか?」/将棋・ABEMA地域対抗戦

「三桂あって詰まぬことなし」どころか、桂馬が4枚あっても天下無敵の八冠の玉は捕まらなかった。
日本全国を8つのブロックに分けた団体戦で行われる「ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治」予選Bリーグ1回戦・第1試合、
中部 対 関西Bが2月3日に放送された。
藤井聡太竜王・名人(王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖、21)は、第2局から登場すると、怒涛の5連勝。
たった1人の力でチームを勝利に導いた。第4局では大石直嗣七段(34)に攻め立てられるも、巧みな指し回しで受けて快勝。
この格言破りの勝利に、解説していた棋士も舌を巻くこととなった。

 将棋には数々の格言があるが「三桂あって詰まぬことなし」は、横に1マス・縦に2マスかつ駒を飛び越えることができるという
トリッキーな動きができる桂馬が3枚もあれば、相手の玉を詰ますことができるというもの。
実際の局面でも桂馬を3枚使い切ることができれば、相手玉からすれば、複雑な駒の利きによって身動きが取れなくなることもよくある。

 ただ八冠保持者である藤井竜王・名人の玉は、簡単には捕まらない。
対局も終盤、大石七段が有利だったところ、藤井竜王・名人に瞬間的に勝勢に振れるなど、形勢が二転三転する大激戦。
すると大石七段の駒台に1枚、また1枚と桂馬が加わることになり、最終盤にはなんと4枚全ての桂馬が揃うことになった。
解説を務めていた冨田誠也四段(27)も「これドキドキしますね。解説が追いつかない」と漏らし、
さらには「もうパニックですね。これ、どうなっているんですか?」と“投了”モードに入ってしまった。

 SHOGI AIは大石七段の勝率を90%近くまで示した局面もあったが、
残り数秒という持ち時間の中で、相手に決定打を許さないのが藤井竜王・名人の強さ。
するすると自玉を逃していくと、時間に追われた大石七段が逆襲を受けた際の応手にミスが出て、大きく形勢逆転。
このラストチャンスを逃さなかった藤井竜王・名人が勝利を収めると、最後まで大石七段の駒台には4枚の桂馬が並んだままだった。

 長年使われてきた格言を上回るほど、相手に桂馬を渡しつつ勝った藤井竜王・名人に対して、
視聴者からは「何が起きた?」「おもしろい!」「さっぱりわからん」といった声が寄せられていた。

◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。
試合には監督とチームから選ばれた出場登録棋士の4人の計5人が参加可能。
試合は5本先取の九番勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。
試合は1試合以上出場する「先発棋士」と、チームが3敗してから途中交代できる「控え棋士」に分かれ、勝った棋士は次局にも出場する。
先発棋士は1人目から順に3人目まで出場し、また1人目に戻る。途中交代し試合を離れた棋士の再出場は不可。
大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

https://news.yahoo.co.jp/articles/3ad4cbdb8cea39c455c7e755ecce62dcc34286cb