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テレビが見られないホテルにがく然 旅で知る視聴者離れ 米国6600キロ第20回

 ホテルでテレビを見ようとしたら電源が抜けていた。コンセントは家具で隠れ、手が届かない。振り返れば、この旅はテレビが見られないホテルばかりだった
ニューヨークからロサンゼルスまで、途中いくつもの町に立ち寄りながら6600キロを走破して見えた米国のいま。毎週土曜日と日曜日に配信しています。

運転の疲れいやす「薬」はダウンタウンをふらつくこと
 旅の11日目、10月14日の宿はアリゾナ州ツーソンのハンプトン・イン・バイ・ヒルトン・ツーソン・ダウンタウンにした。ツーソンのダウンタウンは程よくまとまっており、徒歩で散策するにはちょうどいい。ここでは、どうしてもダウンタウンに泊まりたかった。フロントガラスの汚れのせいで疲れがかさんだ。ダウンタウンをふらつくことが一番の「薬」だと思った。

 ホテルの駐車場はカードキーで開閉するシステムだった。ホテル関係者か宿泊者以外は中に入れない。駐車する場所に不安があると、寝ていても気になってよく休めないが、この駐車場なら気をもむことはない。

 土曜日の夜、ダウンタウンは人であふれていた。レストランやバーは満席で、通りでは若いミュージシャンが歌や演奏を披露していた。広場には屋台が出て、家族連れやカップルでにぎわっていた。

 ダウンタウンは音楽と歓声に包まれていたが、前日のテキサス州エルパソと同じように、ここでも警察官が夜のにぎわいをガードしていた。米国の地方都市の週末の光景である。

恋しくなるアジアの味 てんてこ舞いの店でフォーを食べる
 夕食はバスターミナル近くのベトナム料理店、ミス・サイゴンにした。店は混雑しており、アジア系の店員がてんてこ舞いしていた。フォーとエビそば、生春巻きを食べたら、腹がパンパンになってしまった。食事にこだわるタイプではないが、疲れた時はアジア系の味が恋しくなる。

 ホテルに戻り部屋のテレビをつけようとしたが、全く映らなかった。リモコンのボタンを押すとライトが光るので、リモコンに問題はなさそうだった。

 接続を確認しようと、テレビの裏側をのぞくと、受像機やチューナーなど関連機器の電源とケーブルが抜かれていた。コードを隠すため頑丈なテレビ台の裏側にコードが入り込んでいるのでコンセントに手が届かない。テレビ台は重く動かせないので、このままではテレビが見られない。スタッフを呼ぼうかと思ったが、疲れていたのでそれもしなかった。