デイリー新潮2024年02月12日
https://www.dailyshincho.jp/article/2024/02120650/

ダウンタウン・松本人志(60)の休業宣言から1カ月余が過ぎた。テレビ界への影響はどの程度生じているのか。視聴実態を表す個人視聴率を使い、浮き彫りにしたい。また、松本のファンは若い世代に多いため、コア視聴率(13~49歳に限定した個人視聴率)も用いたい。(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区)

松本の在京キー局のレギュラー番組は6本あった。松本が画面から消えたことにより、視聴率が落ちた番組がある。一方で、意外や数字が大幅に伸びた番組も存在する。

視聴率が大きくアップしたのはフジテレビ「まつもtoなかい」(現「だれかtoなかい」日曜午後9時)である。松本の休業を誰も予想しなかった昨年12月3日放送の個人視聴率は3.8%(横並び4位)だった。100人のうち3.8人が観ていた。コアは3.9%(同2位)。13歳から49歳の100人のうち、3.9人が観ていた。

一方、松本が番組から去った後の1月28日放送は個人が4.9%(同3位)、コアが5.4%(同1位)。個人もコアも1%以上伸びた。個人視聴率の関東地区での1%は40.5万人だから、視聴人数がかなり増えた。

この番組では松本と中居正広(51)がゲストとの トークを繰り広げてきた。コア層がメインターゲットなのは明らか。そのコアが伸び、日曜午後9時台のトップに立ったのだから、スタッフは快哉を叫んでいることだろう。

「まつもtoなかい」は世帯視聴率(2020年4月を境にテレビ界とスポンサーが使わなくなった視聴率)が6%前後と低かった。このため、不人気番組の扱いを受けることもあったが、もとから視聴者の実数を表す個人視聴率は良かったし、番組側が観てもらいたい層には刺さっていたのである。

その番組を観ていた「家」の数を測る世帯視聴率は、高齢者が観ないと数字が上がらない。少子高齢化により、高齢者の1人暮らしが爆発的に増加しているからである。だから、主に若者をターゲットにするバラエティや恋愛ドラマの世帯視聴率は高くならない。