本タイトルの製作者は、ドラクエシリーズ屈指の人気キャラクター「アリーナ」の声優に■■■■を起用するという蛮行を働きました。

アリーナというのはドラクエ4で登場した女性キャラクター。私自身が小学生時代に強い思い入れを抱いていたキャラクターでもあります。サントハイム国のお姫様でありながら天真爛漫な性格の武道家。高い打撃力を誇り、5章でも不動のレギュラーとして活躍。当時、まだ「萌え」という概念は一般的ではありませんでしたが、あどけないルックスと並外れた攻撃力のギャップに私は男心をくすぐられました。キラーピアスで会心の一撃を2連続で繰り出し、エスタークが目覚める前に瞬殺した時は思わず歓声を上げたものです。

ゲーム以外では、当時ドラクエキャラの人気を加速させた4コママンガ劇場の影響も多大でした。私は10巻くらいまで全冊所持しており、中でもとりわけ新山たかし氏の絵柄が好みでした。氏の作中、ポワン様などと同様にアリーナもひときわ可愛く描かれていました。特に記憶に残っているのは、アリーナがクリフトの頬にキスをするシーン。実際はクリフトが失神中に見ている夢だったというオチ付きではあるものの、あのコマを見た私は幼心に胸をときめかせてしまいました。それからというもの、就寝前に布団の中でよくアリーナの妄想にふけっていたものです。“キモイ”との誹りを覚悟の上で書きますが、私はアリーナに「恋」をしていたといっても過言ではありません。初恋はさえずりの蜜の味だったのです。

そして、ドラクエ4の発売から約25年の歳月が流れ、スクエニの出した答えが「■■■■」です。

■■■■というのはゲームオタクを自称するお笑い芸人のような立ち位置ですが、虚言癖を持ち、これまでさまざまな嘘をネット上や紙面で吐いてきた人物です。加えて、反社会的な言動で何度も問題を起こしてきました。最近だけでも次のようなエピソードがあります。

・捨て猫を保健所の譲渡会に連れていった少女を集団バッシング
(実際、保健所に連れていっても即殺処分されるなどということはない)
・「不正商品撲滅キャンペーン」に関わっていながら、アニメ『Free!』の海賊版グッズを購入
・プラセンタ注射を行いながら、厳禁とされている献血を行ったとブログで嬉々として報告
・動物愛護を標榜しつつ、自身のファッションブランドでリアルファー製品を販売

特にプラセンタ注射の事件は悪質です。事なかれ主義の大人たちにより真相は闇の中へと葬られてしまいましたが、もしブログに書いた通り彼女がプラセンタ注射を受けていたならば、患者にvCJDの感染リスクを引き起こし、最悪のケースでは命の危険にさえつながりかねない重大な医療ミスなのです。これは人命救助を無どころかマイナスにする行為。ドラクエでいうならば、パデキアの根に毒を混入してクリフトに飲ませるような行為なのです。

それに捨て猫の騒動。これは誇張でも何でもないのですが、■■■■が少女に凄惨なネットリンチを加える姿を目の当たりにした時、私は、ルビーの涙のためにロザリーを斬殺した悪党たちの姿を重ねたのです。そしてその数カ月後に驚愕のニュースが飛び込んできました。何とその悪党が、事もあろうにアリーナ役として起用されたというのです。

これは何かの間違いだ。イムルの宿屋で悪夢を見ているだけなんだ。私はそう自分に言い聞かせました。しかし無情にも、それは現実世界で起こっている純然たる事実でした。幼いころ恋い焦がれたアリーナが、実は極悪非道な人間であったという“事実”がスクエニ公式によって突きつけられてしまったのです。

今後、ドラクエ4をプレイすることは一切ないでしょう。自宅に数冊残っていた四コマ漫画もすべて破棄しました。幼少期の淡い思い出は、このドラゴンクエストヒーローズ製作陣および■■■■の手で完膚なきまでに打ち砕かれてしまったのです。さようなら、アリーナ。