【懲役9年】孫を改造ベビーサークルに監禁 USJに外泊し死亡させた罪 祖母も「ネグレクト」の被害者だった過去

大阪府富田林市で2歳の孫を監禁し死亡させた罪などに問われている祖母に懲役9年の判決が言い渡されました。

小野真由美被告(47)は、おととし6月、内縁関係にあった桃田貴徳被告(52)と共謀し、当時2歳だった孫の優陽ちゃんの手足を粘着テープで縛り、四方に板をはり上にふたをつけたベビーサークルに監禁。

そのまま、2泊3日でユニバーサル・スタジオ・ジャパンに出かけ、優陽ちゃんを熱中症で死亡させた罪などに問われています。

小野被告によると、優陽ちゃんを引き取ったのは事件の2年半ほど前。
小野被告の三男である優陽ちゃんの父親が離婚し、養育できなくなったのが理由といいます。

それから、小野被告の四男と桃田被告、さらに2人の間にできた五男の5人で暮らしていました。

小野被告は、優陽ちゃんを放置して死亡させたことは認めていますが事件当日に、手足を縛っていたことなどは否認しています。
一方で、事件以前から優陽ちゃんの手足を縛るようになったのは、「自慰行為をするのをやめさせたかったから」と説明。

法廷で「自分と優陽を重ねている部分もあり、(自慰行為を)やめさせたい。見たくない気持ちがありました」と語り、小野被告が自慰行為について極端に嫌悪感を抱いていた背景には、自身の生い立ちが関係していることも明かになりました。

小学6年から中学にかけて母親の交際相手から自慰行為の要求を含む性的虐待を受けていたという小野被告。
さらに、母親は小野被告ら子どもたちを家に残したまま、交際相手のところに行き、1カ月ほど帰らないこともあったと言い、小野被告自身も、またネグレクトの被害者だったことが分かりました。

また、事件の背景からは行政の対応の問題点も見えてきました。

事件の2カ月ほど前、小野被告は市の担当者に「施設に入所させたい」と訴えたものの、あきらめた経緯について、法廷で以下のように主張しています。

【小野被告】「私の中で限界だったので施設に入所させたいと訴えましたが、『親権者の同意がないと無理』と言われました」「相談してもその都度(職員に)『様子を見てください』と言われて諦めました」弁護側はこれらの背景を考慮すると懲役5年6カ月が適切と主張。

一方、検察は「長期間繰り返された虐待の結果で、旅行を楽しむために放置した動機が身勝手であることは言うまでもない」として懲役9年を求刑しました。

そして迎えた、16日の判決。

大阪地裁堺支部(藤原美弥子裁判長)は、内縁関係にあった桃田被告の一審判決よりも重い(桃田被告は控訴)懲役9年の判決を言い渡しました。

https://news.yahoo.co.jp/articles/8d543a3d6db46828058bfc51e4d65d6256e23569