直近年では5万376トン…魚肉ソーセージの生産量実情

1970年代前半には生産量がピークを迎えるものの、使用していた食品添加物に発がん性などが指摘されて使用禁止となり、魚肉ソーセージの歴史は大きな転機を迎える。歴史ページによれば、1974年には製造法が大幅に変更されている。具体的には問題視された防腐剤の使用を取りやめるとともに、

1.高温高圧殺菌(高温殺菌製品)

2.pH、水分活性を調節し過熱殺菌(pH調製品・AW調整品)

3.防腐剤を使用せず 従前同様の加熱殺菌をして10度以下で流通保存(低温度流通製品)

の3通りによる製造方法が採られるようになった。これは現在に至るまで継続している。

さらにその後材料費の高騰(200海里問題の勃発が原因)、冷蔵庫の普及や輸送・保存技術の進歩で、牛肉や豚肉などの食肉が容易に家庭で食べられるようになり、代替品的な意味合いにおける魚肉ソーセージの価値は相対的に低下していく。それとともに生産量も減少。企業努力や突発的な出来事(最近ではBSEによる代替品の需要増加、新型インフルエンザの流行に伴う非常用保存食料として、さらには新型コロナウイルスの流行による内食向け食材としての着目)により生産量がある程度増えた時期もあったが、概して1990年後半以降は年間6万トン前後の生産量を維持している。生産量のピークは1972年の18万491トン。直近データの2022年分は5万376トン。実にピーク時の1/3以下にまで減少している。

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/f53aca072b0654bb88d67a7abb98ea0d1861428c