佐々木麟太郎 学費免除のスタンフォード大学で待ち受ける壁=u勉強の部分での優遇措置はない」


 米国の名門・スタンフォード大学への進学を決めた佐々木麟太郎内野手(18=花巻東3年)が挑む、野球以外の壁≠ェ注目されている。

 同大学のデービッド・エスカー監督(58)が16日にオンライン会見に臨み「彼の場合はフルスカラーシップ(学費全額免除)なので学費、寮費にかかるお金は一切ありません。100%大学が負担します」とコメント。米国外の留学生としては異例とも言える年間約5万8000ドル(約870万円)の授業料に加えて住居費、食費などが奨学金によって免除される特別待遇であることを明かした。

 また、エスカー監督は「1年生になってからすぐに活躍してくれると信じていますし、全米選手権に出て彼と一緒に優勝したい。彼の打力、野球センスを高く評価しています。今のところは中軸を打ってもらう予定で考えています」と佐々木の入部を歓迎した。

 佐々木の正式な入学は9月からで、今後は4月から大学のプレクラスを受けながら練習に参加し、6月後半から9月まで行われるサマーリーグに派遣される予定。公式戦に出場できるのは、2025年シーズンからとなる。

 何から何まで異例ずくめのスタンフォード大入学だが、やはり越えるべき壁は米国の最高学府における勉学の壁≠ナあろう。

 佐々木自身が今回の米大学進学を「野球だけできる人間を目指しているのではなく、野球もできる人間になりたい」としている以上、野球の前に身につけるべき学生の本分である勉学だ。

 メジャー歴代1位となる762本塁打をマークしたバリー・ボンズ氏(59)の出身校であるアリゾナ州立大に留学経験のある渉外担当によれば「米国の大学では学生の1日の平均学習時間は、およそ11時間とされている。そのうち授業を受ける時間が3時間程度で、そこでフル活用するのが英語を『聞く力』と『話す力』。このコミュニケーション能力は実は11時間のうち3分の1でしかない」という。
 
 そして残りの3分の2の時間で必要となってくるのが「英語の文章を読んで理解し、その内容について自分の考えや思いをアウトプットする力。英文を読み解く力と書く力が重要視される」。とにかく毎日膨大な量の課題を課され、それが成績に直結してくる。

 スタンフォードという西の超名門で学ぶ佐々木にとって、まずそのレベルに到達することが当面の目標になる。「プレスクールの中で米国の大学生として必要となるカレッジスキルである講義の受け方や、課題の提出方法を学ぶことになる。野球の特待生であろうが、この勉強の部分での優遇措置はない」(前出渉外担当)とのことだ。

 佐々木はグラウンド内外で忙殺≠ウれることになりそうだが、全てを乗り越えた上で果たしてアメリカンドリームをつかみ取ることができるのだろうか。

https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/292493