「新時代の赤字」がけん引する円安相場〜小作人は地主に勝てず〜

「新時代の赤字」の定点観測
ドル/円相場の騰勢が続いています。結局のところ、過去2年における「米金利ではなく需給構造の変化が円安の背景」という筆者の問題意識が2024年に入ってもまだ有効になっている状況と理解しています。これは筆者の過去のnoteをお読み頂いている読者の方であれば頷いて頂けるかと思います。

デジタル関連収支に代表されるサービス収支赤字に関する議論もだいぶ市民権を得始めており、1月15日の日経新聞が使用した「デジタル小作人」というフレーズは日本の現在地を的確に表現する秀逸なものでした:

厳密には、サービス収支赤字の背景にはデジタル関連収支だけではなく、コンサルティングサービスや研究開発サービス、保険・年金サービスといった項目もあって、必ずしもデジタルだけの問題ではないですが、それが最も大きいのは間違いありません。2023年に関しては11月までの国際収支が公表されており、通年の全容は来月を待つ必要がありますが、デジタル関連収支を筆頭とする「新時代の赤字」がどれほどの規模に至っているのかという定点観測については照会も多く、改めて今回示しておきたいと思います。

https://comemo.nikkei.com/n/n0cf326dc3ef6?gs=12267c07a290