安倍すごい 米国すごい 俺すごい。成蹊大出・Z世代ネトウヨ青年の悲願と「保守の再定義」にのけぞった話 - まぐまぐニュース!
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(前略

さて、そんな『令和の虎』、登録者数が100万人を超える大きなチャンネルになり、起業だけでなく、学生専用の身の上相談シリーズを展開するようになったのだが、そこに「大学卒業後に安倍晋三元首相のような総理大臣になりたい!」という大学生が登場したので、のけぞった。

この学生は、色白の痩せたH田という20歳の若者で、小学6年生の時に、安倍晋三の『美しい国へ』を読んで感動し、それ以来、安倍に憧れ、「総理大臣になりたい」と考えて、安倍の母校である成蹊大学に入学。

小6で政治家の新書を手に取って読むこと自体、すでに普通の子供でない利発さを感じさせるのだが、残念ながら手に取った『美しい国へ』に感化されて、あっという間に安倍に心酔してしまったらしい。

総理大臣になったら、どんな政策を掲げるのかと質問されると、H田は、「美しい国、日本を取り戻す。まずは憲法改正です」と答えた。

だが、安倍の『美しい国へ』を手に持ち、「憲法改正」を述べるH田は、なぜか胸に星条旗のプリントされた真っ赤なTシャツを着用。

「Tシャツはアメリカなんだ?」と指摘されると、「はい、アメリカがすごい好きで」「安倍さんもアメリカが好きなんです」と答えた。そして、続いて繰り出された言葉が、これだ。

「保守と言う考え方自体が、そもそも親米という考え方なので。保守=親米ということですね」

2月10日の「ゴー宣道場」で、「親米保守」の抱える泥のようなニヒリズムが話題になったばかりだが、20歳の若者には「保守=親米」がすっかり知識として摂取されてしまっており、「アメリカ大好き」なTシャツをさわやかに着ながら、憲法改正を目指すという凄まじいアベコベスタイルが誕生していた。

では、H田は、憲法改正について具体的にどう考えているのか?

「日本国憲法は、約80年間1字も変わっていない。それゆえに、鳩山一郎という自由民主党初代総裁が『自主憲法の制定』を唱えて自由民主党という政党を立ち上げた。それから、歴代自由民主党総裁の念願としては、憲法改正が根底に常にあるということになりますね」

よりにもよって星条旗のTシャツ着ながら、それ言うか~!

鳩山一郎の言う「自主憲法の制定」は、アメリカからの押し付け憲法から脱却するぞという意味だと思うけど、そこまでは考えていないらしい。

で、そんなH田が考える改正案はというと──

「憲法9条に『自衛隊』明記です」
「自衛隊の人たちの権利が保障されるとともに、憲法改正は史上初になる。アポロ13号のアームストロング船長が、月面に星条旗を突き立てたように、自分は日本国憲法のアームストロング船長になりたい」

「偉大なアメリカ」に憧れていることはとてもよく伝わってくるが、20歳の若者の口から50年以上前のアポロ13号の例え話が出てくること自体がすごく変だった。安倍が本に書いているのか、演説で言っていたのか? とにかくH田自身の言葉ではないなということも伝わってきた。

そして、親米保守のねじくれたニヒリズムの先に絞り出された「自衛隊明記」という最悪手のバトンをしっかり引き継いだ上に、「自分がレジェンドになるために憲法改正したい」という感性が、そっくりそのまま安倍晋三の神髄だというのもまたスゴイ――(メルマガ『小林よしのりライジング』2024年2月20日号より一部抜粋・敬称略。自称保守のウソを斬る、真の保守をサポートしませんか? 旧世代ネトウヨと新世代ネトウヨの違いやH田青年と安倍昭恵のツーショット写真に踏み込むこの記事の続きや、小林よしのり氏のゴーマニズム宣言・第524回「被害者側に立たない言論は許されないのか?」、読者Q&Aコーナーなどメルマガ全文はご登録の上お楽しみいただけます)