「ぼっち」の僕でも彼女がほしい 「答えはシンプル」と姜尚中さん
悩みのるつぼ 相談者（30代・男性）
生まれてから彼女がいたことがありません。性格は真面目と言われることが多く、マイペースで頑固者と自覚しています。趣味は漫画、アニメ鑑賞、推しのアイドルグループの応援ですが、イベントには行ったことがなく、インドアタイプです。酒、たばこ、ギャンブルもやりません。
友人は高校途中まではいたと思いますが、ある時期から孤立し、現在に至るまで友人と呼べる存在はいません。ずっと「ぼっち」でした。
しかしさすがに、彼女がほしいです。青春を送りたいです。マッチングアプリもありますが、自分の手札（経済力、容姿、経験値、コミュニケーション能力）を考えると、選ばれる要因も相手を楽しませる自信もありません。
外食ならファミリーレストラン、旅行なら一泊ぐらいが関の山。容姿は中の下。話を盛り上げる術もなし。でも彼女がほしい。正直、結婚どうこうまでは考えていません。とにかく一度、恋愛をしてみたいのです。30代半ばにもなって、甘ったれるな！と思われるかもしれませんが、私にとって切実な悩み、否、願いです。どうかアドバイスを処方してください。
回答者 政治学者・姜尚中さん
まず言いたいのは、自分が「甘ったれている」と思う必要はないということです。世間で言う「ダメ男」の範疇（はんちゅう）にくくられてしまう男性はリスクの高い異性として、適齢期の女性に敬遠される冷たい現実があると認識できているからです。
「ダメ男」や「ダメ女」などといった、人間味のない言葉が氾濫（はんらん）している世の中ですから、ハートさえよければ女性の心をゲットできると激励しても、あなたには慰めにもならないでしょう。パートナーとすべきかどうかの判断基準が、学歴や年収の差、正規か非正規かの違い、さらにはコミュニケーション能力やルッキズムによる審美的な好悪にあるとすれば、あなたは「恋愛市場」で「交換価値」のない男性というレッテルを貼られることになるはずですから。
適者生存の俗流化された社会…この記事は有料記事です。残り660文字
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