松本人志さんの件で考えた 「キモくて怖い」男の“シモ”の連帯を断ち切るには
https://dot.asahi.com/articles/-/211608

今回の世間の反応を見ていると、#MeToo以前とは隔世の感がある。女性を叩く声があればすぐに「それはセカンドレイプだ」と慎重な態度を求める声が目立つ。

 伊藤詩織さんが性被害を訴えたのは2015年だ。週刊誌が昨年末に報じた松本さんの性加害疑惑の年と同年である。詩織さんが2017年に記者会見を開いたときには、ブラウスのボタンが首まで閉じていなかったことを責める声が湧いたものだが、その年にハリウッドでの#MeTooがはじまり、日本では性被害当事者団体「スプリング」が発足し、2019年には性被害に抗議するフラワーデモがうまれ、2023年には「性的同意」という言葉が入った性犯罪刑法改正がなされた。この数年で、性を巡る言説は大きく変化したのだ。

 時代を変えるのは、「この国で女やっている」側の声なのだと思う。つくづく、そう思う。だからこそ、キモい、と感じる感性を封じてはいけない。そして「キモい」と言われることに、男たちは開き直ってはいけない。そして男たちの“シモ”の連帯の歴史を断ち切ってほしい。