最近は新卒採用の応募条件を大卒ではなく学歴不問とする企業が増えているが、内定者は大卒ばかりで高卒や専門学校卒は皆無なんてケースは珍しくない。
それだけに学歴があれば仕事の選択肢の幅が広がるし、より多くの収入を得られるチャンスが大きくなる。

とはいえ、社会で生きていくうえで学歴が絶対に必要かといえば、決してそうでもない。でも、なかには自分の学歴の高さを鼻にかけ、周りの人間を見下してくる者もいる。
ただ、状況によっては、「学歴の低い者が学歴の高い者」に対して厳しい態度を取ることもある。

そんな経験をしたのは河原寛人さん(仮名・29歳)。きっかけは5年ほど前に行ったUターン転職だったという。

◆東京で疲弊し、地元で就職することに
「新卒でIT系のベンチャーに入社したんですが、常に成長を求められる意識高い系の雰囲気に疲れてしまい、1年で退職することに。
東京での生活にも疲れてしまったので、地元の北陸に帰って転職することにしたんです。落ち着ける環境を求めての転職だったのに、
まさかあんな辛い想いをするとは思いませんでした……」

河原さんが入社したのは、ガス機器の販売を行う会社。メインで行うのはガス機器の検診業務で、仕事内容のゆるさに惹かれて入社したのだという。
人間関係ものんびりしているものと思っていたが、働いてみると想像とは異なる現実が。

「ベテランの社員同士は、田舎らしいフランクな関係でしたが、自分に対してはひどく冷たかったんです。書類の書き方も満足に教えてもらえず、
見本を渡され『それ見てやって』と言われるだけ。質問すると、『大学出てるのに、こんなのもわからねえのかよ?』と嫌みを言われて。
大卒だからといって、知らない書類の書き方がわかるはずもないのに……」

◆「仕事ができない奴」とのレッテルを貼られ…
他の仕事も「大学出てるんだから1回で覚えられるよな」と言われ満足に教えてもらえない。それでできないと「物覚えが悪い」と文句を言われる始末。

「わからないことがあっても、質問すると学歴をネタに馬鹿にされるのでだんだんと聞くことができなくなりました。そうするとミスが起きて怒られる……。
負のスパイラルでどんどんまずい状況に追い込まれていきました」

そうして、河原さんは「仕事ができない奴」とのレッテルを貼られることに。 

「自分がいない場所で言われるならまだしも、わざと聞こえるように否定されるのはキツかったです。
『真面目系クズ』とか『使えないから辞めてほしい』とか。そんな言葉が度々聞こえてくるので、苦痛で仕方なかったです」

◆退職届を出したところ、思いもよらぬ反応が
唯一、事務の30代の女性だけは河原さんを気遣ってくれたという。

「彼女からは『社長が中卒、幹部達はみんな高卒ということもあって、大卒は目の敵にされるんです』と教えられました。
彼女は短大卒なんですが、やはりまともに仕事を教えてもらえず、苦労を味わってきたそうでした」
仕事自体は楽なものの、あまりにも人間関係でストレスがたまるので、河原さんは退職届を部長に提出することに。

「退職を伝えると、それまでとは打って変わって退職を
https://news.infoseek.co.jp/article/spa_20240224_01976328/?tpgnr=busi-econ