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中国もロシアもトランプ前大統領を「いいカモ」と見なしている ── トランプ政権の元大統領補佐官が指摘(海外)

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2/26(月) 8:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN
APEC首脳会議(2017年11月11日、ベトナム)。
トランプ政権時代に大統領補佐官(国家安全保障担当)を務めたジョン・ボルトン氏は、アメリカのライバル国はトランプ前大統領を「いいカモ」と見なしていると語った。

中国もロシアも、トランプ前大統領が11月の大統領選で勝利すれば喜ぶだろうとボルトン氏は話した。

ボルトン氏は、トランプ前大統領は今月、すでにロシアのプーチン大統領の策略の1つにはまったとMSNBCに語った。

トランプ政権時代に大統領補佐官(国家安全保障担当)を務めたジョン・ボルトン氏は、トランプ前大統領の"世界の舞台におけるポテンシャル"を酷評し、中国もロシアも前大統領が再選を果たせばアメリカを容易に利用できると考えていると指摘した。

「わたしの頭の中にある唯一の疑問は、トランプが再選を果たした場合、ロシアと中国、どちらがより盛大に祝うかということだ」とボルトン氏は2月18日に放送されたMSNBCのインタビューで語った。

ロシアのプーチン大統領が今月初め、「より予測しやすい」バイデン大統領がホワイトハウスにいる方が好ましいと報道陣に語った際に、トランプ前大統領はプーチン大統領の策略にはまったとボルトン氏は考えているという。

「これはトランプに『あれはわたしへの賛辞だと思った』と言う機会 ── 愚かにも彼はそれを利用した ── を与えるための明らかな情報操作だ」とボルトン氏は話した。

2月15日にサウスカロライナ州で開かれた集会で、トランプ前大統領はプーチン大統領の発言に飛びつき、それを演説の要点にした。

「彼はトランプよりもバイデンの方が大統領に好ましいと言った」と前大統領は語った。

「これは褒め言葉だ」

ボルトン氏は、プーチン大統領も中国の習近平国家主席も、トランプ前大統領を操りやすい「いいカモ」と見なしていると言う。

「トランプが再選を果たせば、ロシアが大いに喜ぶことは間違いない。プーチンは彼のことをいいカモだと考えているからだ」

同氏は、スタッフが同行したトランプ前大統領とプーチン大統領との会談を振り返り、通訳から2人がシリアでの紛争について話し合ったと聞いたと語った。

「プーチンがほとんど話をした。なので、わたしはあれを1つの勝利と考えている」とボルトン氏は話した。

「トランプがプーチンに実際に何か言っている時間は少ない方が良い」

トランプ前大統領は、2016年の大統領選では"中国に対する強気な発言"で選挙戦を戦い、大統領就任後は中国製品に関税をかけた。また、複数の企業について、知的財産を盗んでいる、安全保障上の懸念があるなどとしてブラックリストに載せた ── このスタンスはバイデン政権下でも続いている。

2024年11月の大統領選に向けては、引き続き中国を脅し、自分が大統領になれば全ての中国製品に60%の関税を課すとしている。

プーチン大統領との関係については、ロシアが2022年2月にウクライナに侵攻した後ですら、トランプ前大統領はプーチン大統領を頻繁に称賛していると批判されることも少なくない。

ボルトン氏はまた、トランプ前大統領がすでに2つの訴訟で合わせて約4億3800万ドル(約657億円)の支払いを命じられていることを考えれば、前大統領は外国勢力から利用されやすくなる可能性もあると、2月18日に放送されたインタビューで語っている。

「これは彼が支払わなければならない金で、現実を受け入れるべきだ。ドナルド・トランプが最も気にかけているのはドナルド・トランプ… そしてドナルド・トランプの金だ」とボルトン氏は指摘した。

2018年4月から2019年9月までトランプ政権で国家安全保障担当の大統領補佐官を務めたボルトン氏だが、前大統領を「毒」と呼び、世界の指導者たちは前大統領を「笑い物」と見ていると発言するなど、今ではトランプ前大統領を声高に非難する人物の1人だ。

Business Insiderはトランプ前大統領の広報担当にコメントを求めたが、回答は得られなかった。