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「トランプ前大統領が訴訟費用を献金者に転嫁するという選択は、共和党の全国的な資金集めの努力を頓挫させる恐れがある」

「デイリー・ビースト」の記事はこう指摘するが、前大統領は自分の息子の嫁のララ・トランプさんを共和党全国委員会の共同委員長に推挙して、委員会を
意のままに操ることを画策していると伝えられる。

当のララさんは、21日にNBCテレビに対して「ドナルド・トランプへの攻撃はアメリカに対する攻撃なのだから、彼を支援することが大事なのです」と選挙資金を
前大統領の裁判費用に流用することを否定しなかった。

■「支持者の寄付疲れ」
こうした折、英国の経済紙「フィナンシャル・タイムズ」電子版は21日「ドナルド・トランプへ寄付する支持者が前回と比較して20万人減った」と報じた。

同紙が独自に試算したもので、2023年後期にトランプ前大統領の選挙運動に寄付した者は約51万6000人だったが、前回の大統領選挙を控えた2019年の同時期には約74万人いたので、今回は約22万4000人減っている。

その原因について「フィナンシャル・タイムズ」紙は「支持者の寄附疲れ」だとする共和党関係者の談話を引用しているが、それがトランプ前大統領の裁判と時期を同じくしていることにも注目している。

トランプ陣営は、200ドル(約3万円)前後の小口の寄付をする支持者の広がりに期待をかけているので、そうした支持者の離反は手痛い。

トランプ前大統領はサウスカロライナ州での予備選も圧勝したが、今後本選挙へ向かう選挙戦でこの問題が前大統領の「足を引っ張る」ことにもなりかねない。
【執筆:ジャーナリスト 木村太郎】
【表紙デザイン:さいとうひさし】
(おわり)