ラピダス、ケラー氏率いる米企業とAIアクセラレータで協業

2024年2月27日 14:20 JST 更新日時 2024年2月27日 16:15 JST

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-02-27/S9G8GQT0G1KW00

テンストレント開発のAIアクセラレータ用半導体をラピダスが製造

ケラー氏は米アップルやテスラ、インテルなどで最先端半導体を設計

最先端半導体の量産を目指すラピダスは27日、米アップルやテスラ、インテルなどで先端半導体を設計してきた著名エンジニア、ジム・ケラー氏が率いる米人工知能(AI)関連スタートアップ、テンストレントとエッジAIアクセラレータの開発・製造で協業すると発表した。

  エッジAIアクセラレータは大量のデータを瞬時に処理するAI半導体を使い、生成AIなどにも用いられる。発表によると、テンストレントはエッジAIアクセラレータに使う半導体を開発し、ラピダスがそれを製造する。

  今月、日本政府がラピダスの最先端半導体の設計や先端装置・素材技術の研究開発を担う技術研究組合最先端半導体技術センター(LSTC)に最大450億円を支援すると発表しており、その枠組みの中での協業となる。

  ラピダスの小池淳義社長は協業で生み出された技術は生活支援ロボットや産業用ロボット、自動車などの分野での適用が見込まれるとし、「日本を元気にしていく原動力になると信じている」と述べた。

  ケラー氏は、ラピダスはスピードを使命としている企業であることなどが協業の決め手になったと明かし、協業により「日本で優位なビジネスを構築する機会を得られる」と述べた。

  北海道千歳市に半導体工場を建設中のラピダスは、米IBMからの技術供与により2027年に2ナノ半導体の量産を目指すと同時に、製品の活用先の拡大や国内外での顧客獲得も狙っており、テンストレントとの協業でラピダスの事業に弾みがつく可能性がある。

  日本政府は半導体の安定供給確保を経済安全保障上の重要課題としており、ラピダスにはこれまで計3300億円の支援を決めている。