去年6月、岐阜市の自衛隊射撃場で、当時18歳だった自衛官候補生の男が銃を発砲し隊員3人が死傷した事件で、岐阜地検は28日、強盗殺人などの罪で男を起訴し、 実名を公表しました。

起訴されたのは、元自衛官候補生で住居不定・無職の渡邉直杜被告(19)です。

起訴状などによりますと被告の男は18歳だった去年6月、岐阜市の陸上自衛隊日野基本射撃場で訓練中に小銃を発砲し、
男性隊員2人を死亡させ、1人に大けがをさせた強盗殺人などの罪に問われています。

被告の男は殺人などの疑いで逮捕・送検され、約半年間、責任能力の有無などを調べる鑑定留置が行われていました。

岐阜地検はことし1月23日に強盗殺人などの非行内容で家裁送致。岐阜家庭裁判所は2月19日に「人の命の重さを全く顧みない残虐な犯行」などと指摘し、検察官に送り返す「逆送」としていました。

岐阜地検は、実名を公表した理由について「特定少年の健全育成や更生を考慮する一方で、事案の重大性や地域社会に与えた深刻な影響などの諸事情を考慮し、被告人の氏名を公表する」としています。

CBCテレビ(JNN)では、特定少年を実名で報じるかどうか、事件ごとに判断しています。
今回の事件では、3人が死傷したという結果の重大性や、自衛隊の訓練中に起きた殺傷事件という社会的影響の大きさなどを総合的に判断した結果、被告の男を実名で報じることにしました。