「ボランティアが桁違いに少ない」野口健が危機感 足りない宿泊場所確保すべくテント村設営へ 
能登半島地震のボランティアの問題です。今月22日までに県内の被災地で活動したボランティアはのべ3891人。このボランティアについてアルピニストの野口健さんがXに投稿した「これ程、ボランティアの姿を目にしない被災地は僕の経験上、はじめてです」という発言が話題となりました。
その野口さんが、26日、実に8回目となる被災地入りし、寝袋を避難所に届けました。取材班は、野口さんに復興への課題を伺いました。

石川県輪島市町野小学校を訪れた、アルピニストの野口健さん。運んできた支援物資を子供たちとリレー形式で運びます。

【川邉世里奈記者リポート】
「支援物資には、空気で膨らむベッドや冬仕様の暖かい寝袋が入っています」

野口さんが能登の被災地を訪れるのはこれで8回目。これまでに極寒でも耐えられる寝袋9000個を被災地に届けてきました。

【子供たち】
「(野口さんを)テレビで見たことがあるので、会えてうれしかった。(支援物資を)早く使いたい」

何度も被災地に足を運ぶ中で今回の地震で感じた課題を次のように指摘します。

【野口健さん(50)】
「今回ボランティアがほぼ入っていない。桁違いに少ないと思うんです。ボランティアがステイできる場所があれば…」

これまでに2万7900人が石川県が募集したボランティアに登録しているにも関わらず、実働はたったの延べ3800人あまりしかいないのです。

24日、珠洲市を訪れたボランティアは、77歳の女性が住んでいた家で、午前11時半ごろから家財の運び出しを始めました。

作業が終わったのは午後3時。珠洲市には一般のボランティアが宿泊できる施設がなく金沢市に泊まったり、日帰りで帰ったりするため、活動時間が限られています。

【ボランティア】
「とりあえずごめんなさい。全部終えられなかったんだけど」

【77歳の女性】
「いやいやいやいや」

【ボランティア】
「僕らこれで終了にしますので」

【77歳の女性】
「本当にありがとうございました。ありがとうねぇ」

2階はまだ手つかずの状態。後日、別のボランティアが片づけを行うといいます。

【岐阜から参加したボランティア】
「近いところに泊まれるところがあれば、移動時間がもうちょっと作業に充てられるのかなと思うんですけど。なかなかやっぱり今この周りの状況を見てると、ボランティアが入って泊まったり、宿泊したりする場所も正直確保できないのが現状だろうなとは思うので」

ボランティアの宿泊場所を確保しようと、アウトドアメーカーのモンベルは先週、珠洲市の鉢ヶ崎オートキャンプ場にテント50張りを設置。

さらに野口さんも、七尾市と協力して来月上旬にも、能登島にボランティア用のテント村を設置する予定です。

【野口健さん】
「作業は1日、テントですからね。そうすると、200~300人の宿泊する施設が作業としては1日で、できる。(テント村に)ボランティアが滞在して、そこから活動していくということをしなければいけない」

まもなく地震発生から2カ月。ボランティアの大量増員で、遅れていた復旧作業が軌道に乗ることが期待されます。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c03ae1252bd7ed06d95c4fc9b81ba1a2d7737955