男性教諭は2月18日、自身のX(旧ツイッター)で、キユーピーに宛てて投稿し、「もし修正できるならお願いしたく思います」と記した。

 キユーピーは翌19日に事態を把握。同社の研究所も含めて担当部署で検討した結果、でんぷんの消化について誤解を招きかねない表現だったと判断した。

 同28日、HPの記載から「胃で」を削除し、「唾液に含まれる酵素(アミラーゼ)が、食べ物に含まれるでんぷんを分解し、消化されやすい状態にします」と修正した。また、胃で吸収されることを表現したイラストにも変更を加えた。

 同社によると、HPの当初の記述は2018年9月からあったといい、同社は「外部に発信している以上、誤解のないように注意していきたい」としている。

妄信は危険

 <ちゃんと生成された内容の正誤チェックや文章校正が出来ない限り使うべきではない><AIにまず回答作らせて教科書で調べて修正すると定着率の高い勉強法になると思う>

 男性教諭の投稿は、360万回以上閲覧され、中には、そんなコメントも書き込まれた。

 男性教諭は「結果的に唾液アミラーゼの働きについて学習の理解が深まった。生成AIは間違った回答を示すこともあり、生徒たちにとっては自分で調べることの大切さを知る良い機会になった」と話す。

 医学博士で江田クリニック院長の江田 証 あかし 氏(消化器内科)は「でんぷんは胃では消化されず、キユーピーHPの記載は医学的に言えば誤りで、誤解を生じさせる。同社が迅速に修正したのは評価できる」と指摘。「生命や健康に関わる医学的な情報についてAIを妄信することは、現時点では非常に危険。情報の正確性について、ほかの文献に当たるなどの『裏取り』が必要だ」としている。