バラードの有名な宣言に「真のSF小説の第一号は、健忘症の男が浜辺に寝ころんで、錆びた自転車の車輪を見つめつつ、両者の関係性の究極的な本質をつきとめようとする、そんな物語になるはずだ。」という文章がある。

 翻訳は伊藤典夫の「内宇宙への道はどれか?」(季刊NW-SF No.1、1970年)のが一番有名っぽいんだけど、「内宇宙への道はどちらか?」というタイトルで、S・Fマガジンの1997年3月号に訳し直されてるっぽい(未確認)。原題は「Which Way to Inner Space ?」なので、「どちらか」のほうが多分正しいと思う。
 現在テキストとして入手しやすいのは、『J・G・バラードの千年王国ユーザーズガイド』(木原善彦・訳、白揚社)の単行本のほうか。
 そこでは当該箇所は以下のように訳されている様子。

J.G.バラードと健忘症(アムネジア) - 愛・蔵太の気になるメモ(homines id quod volunt credunt)
https://lovelovedog.hatenadiary.org/entry/20091001/ballard