バイデン米大統領(民主党)は9日、一般教書演説(7日)で南部ジョージア州の女子大学生殺害事件に言及した際、過去に不法入国していた容疑者を「不法(移民)」と呼んだことを後悔していると述べた。リベラル系のケーブルテレビ局MSNBCのインタビューで述べた。

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 8日には「発言は後悔していない」と述べていたが、民主党左派から「『記録のない移民』と呼ぶべきだった」との批判が殺到。11月の大統領選に向けて、移民政策に敏感な左派の離反を防ぐため、発言を一転させた。

 バイデン氏が7日の演説で移民政策に言及した際、トランプ前大統領に近い共和党議員は事件の被害者の名前を叫び、「彼女の名前を言え」とヤジを飛ばした。バイデン氏が「殺害された無実の女性だ」と応じると、議員は「不法(移民)によってだ」と叫び返し、バイデン氏も「不法(移民)によって。その通りだ」と述べた。

 このやりとりに関して、「不法移民」という言葉を嫌う民主党左派からは「不法な人間などいない」(オマル下院議員)とバイデン氏への批判が上がった。左派は「記録のない移民」「許可されていない移民」といった言葉を使う傾向が強い。

 バイデン氏は8日に記者団に問われた際は「後悔していない」と述べていたが、左派の視聴者が多いMSNBCのインタビューで軌道修正を図り、「私が移民を無礼に扱うことはない」などと強調した。
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