気力なし、他者が怖い…性格の問題? ホルモン治療で変わった人生:朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASS364W2ZS2XPOMB00W.html

「自分には何かが足りない」。長くそう感じてきた30代後半の男性は、精神科に通うなど解決策を長く模索してきました。男性ホルモンの値の低いことがその原因でした。

男性ホルモンが十分に分泌されない、「性腺機能低下症」という病があります。性器や筋肉が十分に発育しないだけでなく、気力がわかない、元気が出ないなど精神状態にも大きくかかわる症状が、生きづらさにつながっています。

連載「オトナの保健室」
「パパのおちんちんは小さいよ」二次性徴来なかった僕が伝えたいこと

自分って覇気がないな、と思っていました。男性のグループ内では弱いやつと見なされ、雑な扱いをされてしまう。動物のオス同士のけんかなら、真っ先に退散する弱いオスみたいな感じ。

何かが欠落している。その自覚があるけど、それが何かわからない。高校まではあまり意識せずに過ごせましたが、大学では急にコミュニケーション能力を求められるようになりました。

講義、サークル、飲み会……。当意即妙な受け答えが浮かばない。2人1組の作業がつらくて、授業から逃げ出したこともあります。

情けないし、自己嫌悪にも陥るのですが、性格とも思えない。対人恐怖やうつ症状など、何らかの精神疾患ではと精神科に行くと、何種類もの薬が処方されました。

服薬すると不安はやわらぐものの、根本の解決にはならない気がした。それを医師に伝えても、薬を替えるだけ。次第に不機嫌になるので別のクリニックに移らざるを得ない。その繰り返しでした。

上場企業に何とか入社したものの、いよいよごまかしきれなくなってきた。「怖い」「逃げたい」が気持ちの90%を占めている。出社するので精いっぱい。雑談もできない。

「ハイハイ言ってるだけで…

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