習主席、鄧小平氏と並ぶ市場改革者と中国メディア-懐疑論払拭狙いか

Zheping Huang
2024年3月13日 16:58 JST
対外開放路線を主導した鄧氏に続く「傑出した改革者」-新華社

今年の成長率目標、5%前後と強気-達成に懐疑的な見方も
中国の習近平国家主席は、鄧小平氏と並ぶ市場寄りの改革者だと国営メディアが大きく宣伝している。中国経済の先行きに対する懐疑的な見方を払拭(ふっしょく)する狙いがあるとみられる。

  国営新華社通信は12日配信した6000語近くに及ぶ英文記事で、習主席を20世紀後半に中国の対外開放路線を主導し、経済大国へと押し上げた鄧氏に続く「傑出した改革者」だと主張。国有企業の再編や技術革新の推進、米テスラの上海ギガファクトリーなど外資誘致を含め、市場・経済改革における習氏の功績を具体的に伝えた。

  「両指導者は中国の現代化という同じ使命に直面したが、その背景は著しく異なっている」とも分析した。

  習氏が改革者だと訴えることで、世界2位の規模を誇る中国経済への信頼感を高めようとしているようだ。中国は今年の国内総生産(GDP)成長率目標を5%前後と強気の水準に設定しているが、一部のエコノミストは達成に懐疑的な見方を示している。

  11日閉幕した全国人民代表大会(全人代、国会に相当)では、中国経済の持ち直しは期待に達していないが、共産党幹部が新型コロナウイルス禍の低迷からの脱却で、習氏が果たした中心的な役割を強調していた。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-03-13/SA9USBT1UM0W00