Nr. 10 小学校での落第と飛び級

さて、今回のテーマは落第と飛び級について。驚いたことにドイツでは小学生でも落第するのです。
ドイツにいわゆる“受験”はありませんが、成績が悪くなるたびに先生から“落第警告”が出されるので、学力に関してはかなりシビアです。
娘のクラスでは、小1で1人、小3で4人の子どもが進級せずに同じ学年を繰り返しました。
しかし、進級できない理由は「勉強についていけない」というネガティブな表現ではなく、
「無理せずにその子に合う学習レベルや環境で生活することが大切で、その子の幸せにつながる」とも言われます。
娘のクラスにいた落ち着きのない男子生徒は、学年を下げてからは成績が良くなり、態度が穏やかになりました。
子どもにとって落第はイヤな経験ではあるけれども、マイナスの烙印が押されるようなことでは決してありません。
私は落第をポジティブに捉える考え方があるということを、この国に来て初めて知りました。

http://www.newsdigest.de/newsde/column/kosodate/3240-10/