私に戦争の責任はあるのか ウクライナ人を助ける在日ロシア人の苦悩
2年前、ロシアがウクライナに侵攻した2日後。大阪大学大学院生のロシア人、イリーナ・アフジュシェンコワさん(36)は、
ボランティアで講師をしていた国際交流の授業で、大阪府豊中市の小学校にいた。
この日の授業は開戦前から予定されていたが、日本にとっても隣国であるロシアを児童がどう見ているか不安がよぎった。
市内の別の小学校に通う息子のことも気がかりだった。
イリーナさんは、ある文字をプロジェクターで映した。
「政府≠国民」
ロシア人がみんな戦争を支持しているわけではない。イリーナさんも15歳からプーチン大統領に反対する政党に入り、
デモに参加したこともある。政治に熱心だったというより、それが楽しかったからだけれども。
この日を最後に、小学校での交流に招かれることはなくなった。ただ、ロシア人という理由で嫌な思いをしたことは「日本では一度もない」という。
開戦から間もなく、イリーナさんが暮らす市内の公営団地に、ウクライナを逃れた数家族が越してきた。役所の手続きや病院通いなどに付き添いを買って出た。
ウクライナ人に特別な思いがあるかというと、「それはない」。ロシア語で通訳ができるから。それだけだと言う。
一方、ウクライナ側。避難者にもロシア人にわだかまりのない人はいるが、多くはそうでない。
https://www.asahi.com/articles/ASS2P4S0SS2KPTIL004.html