互いの“心のスキマ”埋めるように…ホストに金貢ぐ女と金を渡した男性『頂き女子りりちゃん事件』の深層

3/24(日) 21:02配信

恋愛感情を悪用して複数の男性から多額の現金をだまし取った「頂き女子りりちゃん」の事件で、被害にあった男性と、裁判中の渡辺真衣被告を取材すると、見えてきたのは、それぞれの心のスキマだった。

■突然泣き出し裁判が中断する場面も…検察が求刑し結審

「頂き女子りりちゃん」こと渡辺真衣被告(25)は、「借金を返済しなければいけない」などとウソを言って、男性3人から合わせて1億5500万円余りをだまし取ったほか、その所得を申告せずに4000万円を脱税した罪などに問われている。渡辺被告はこれまでの裁判で、いずれの罪も認めている。

3月15日の裁判で検察側は、「入れあげていたホストをナンバーワンにするため、真剣な交際を求める独身男性の心情につけ込み、繰り返し金銭を拠出させた卑劣な犯行」と指摘。懲役13年と罰金1200万円を求刑した。弁護側は、「罪の重さを自覚していて長期の収容は必要ない」と主張した。

この日の裁判の中で被害の弁済について聞かれた渡辺被告は、「お金は少しずつ返す」と述べたものの、突然泣き出し、裁判が2分ほど中断する場面もあった。

■被害男性「この一時を助けて、ただ一緒に暮らしたかった」

被害に遭った男性(50代):
蓄えは全て持っていかれちゃった。何もできないっていうか、生活するだけで精一杯

茨城県土浦市に住む50代の男性は渡邊被告に約3800万円もの現金をだましとられたという。

被害に遭った男性(50代):
マッチングアプリで出会いました。お互いに「いいね」って相互評価しまして、「アパレル会社に勤める真衣です。同世代の人とはいろいろあって男性恐怖症になっちゃっているから、少し年上の人がいいかなということで“いいね”しました」みたいな

2023年4月、付き合っていた女性と別れたのをきっかけに、マッチングアプリに登録した男性。はじめてマッチした相手が 「りりちゃん」だった。

被害に遭った男性(50代):
アプリ上のメールで意気投合しまして、翌日こちらまで来て1時間ほどお茶をしました

アプリでやり取りをした翌日、りりちゃんは男性に会うため茨城県まですぐに来てくれたという。

被害に遭った男性(50代):
実際に会った時には、ちょっとおとなしめの子だな、みたいな感じの印象を受けました。“りりちゃん”として派手なメイクに感情豊かにしゃべる様子とか、まるっきり別人ですね。こんな若くて可愛い子が“いいね”してマッチングして、こちら(茨城県)でお茶して、「次も会ってくれるの」みたいな感じでのめり込んじゃったんですね

その1週間後、秋葉原で食事をした日には…。

《りりちゃんからのLINEでの手紙》
デート1日目
秋葉原で待ってた ドキドキしてた 私喋るの本当に苦手なのに
あんなに沢山喋れる自分に驚いています 自然に笑顔になって笑えるんです
たくさん笑わせてくれて幸せな気持ちにしてくれてありがとう。すきです

りりちゃんは、食事を「初デート」と伝えていた。

被害に遭った男性:
一目惚れプラス趣味が合って、相手の「どこどこ行きたいね」とかそういうのを夢見てというか、想像して好きになってしまった、きっと

しかし、この“初デート”から2日後。

被害に遭った男性:
LINEのやりとりをしていまして、「私いなくなるかも」と。「どうしたの?何があったの」って(聞くと)、実は親からお金…、不仲だから(親が)「養育費を払え」と、「そのお金を工面しなくちゃいけない」と…

不仲だという親との手切れ金として800万円が必要だと男性に打ち明けたりりちゃん。男性は、生命保険を解約し、800万円をりりちゃんに手渡した。

https://news.yahoo.co.jp/articles/ 96e772ca376bd5d1962bedf8983966570bb1ce2b