【コラム】異例の規模の日銀リーク、真剣な調査を-リーディー&モス
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-03-25/SAVHKST0G1KW00?
日本銀行には抜本的修理が必要だ。

  19日午後に日銀が金融政策の大転換を発表した時には、誰も気にしなかった。日銀が何をするのか、細部まで誰もが既に知っていたのだ。

  植田和男総裁が昨年就任して以来、選択的な情報開示が日銀の特徴の一つになっているからだ。
全ての大きな変更は事前にかなり詳細に報道されてきた。しかし、その不名誉な基準に照らしても、注目された3月の金融政策決定会合から流出した情報のレベルはスキャンダラスだった。

  会合が始まる前から、変更を示唆する国内メディアの報道が続いていた。だが特に注目すべきは、日銀が国会質疑を除いて対外発言しないとしたブラックアウト期間入りした後に行われたことだ。

そして会合2日目である19日の午前2時、日本経済新聞の電子版は、日銀がマイナス金利政策のほか、長期金利を抑え込むためのイールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)や
上場投資信託(ETF)などリスク資産を買い入れる枠組みをなくし、大規模緩和の解除を決める方針だと報じた。

  さらに同日午前、会合の半ばごろの時間には、NHKは植田総裁がマイナス金利政策の解除など大規模な金融緩和策の転換についての議案を提案し、議論の取りまとめに入ったと伝えた。

  政策会合終了後に発表された声明に新しい情報は何もなかった。国内メディアの記者らの当てずっぽうが的中したのであるなら、彼らは宝くじをやるべきだろう。
日本の当局者は金融政策の「正常化」についてよく話すが、金利がなおゼロの日本では役に立たない言葉だ。しかし、日本が真剣に受け止められたいのであれば、まずここから始めなければならない。

  日銀の決定事項の多くがなぜ事前に知られているかについて国会で調査し、岸田文雄首相が何らかの回答を求める時だ。
日銀の行動で数十億ドルの資金が動く。日経新聞や時事通信、NHKの記者が事前に知らされていたとしたら、他に誰が知っているのだろうか。悪用される可能性は計り知れない。


つづく